「空に降る雨が、キャンディなら
こんな灰色な日も楽しかっただろうね。」

彼女は面白そうに笑う。

「キャンディが降ってきたら痛そうだな。」

僕は水滴のついた窓を眺めながら、苦笑した。

「傘をさせばいいじゃない。逆さに、ね。
キャンディも貯まって一石二鳥!」

どうやら彼女は本気でそうなって欲しいらしい。
空を見つめる目が輝いていた。


「・・・で、雨が降って外に出れない
君のご機嫌は何をすれば晴れるかな?」

「そうね・・・」
ニヤリと彼女は笑った。
その言葉を待っていた、と言うように。

「あなたの持っている飴をくれるなら。」
そして、にっこりと満面の笑みをみせた。


彼女の機嫌は、今日も晴天なり。