「ねぇ、ソプラ!青い鳥を探しに行こうっ。」
1つ年上の彼は、そう嬉しそうに話を切り出した。
「青い鳥?」
「そう青い鳥。それを手に入れたら、幸せになれるんだって。」
そして、彼は笑いながら手を差し出した。
「さぁ、探しに行こう!」
2人は、家を出た。青い鳥を探すために。
幸せになる為に。
でも、彼らは知らなかった。
青い鳥がどこに居るかも。
庭以外の外の世界も。
何が幸せかも。
そして、捕まった鳥の気持ちさえも。
彼らは、知ろうとはしなかった。
夕暮れになった頃、
「ねぇ、アルト。きっと青い鳥は今日はいないわ。
だって庭中を探したもの。」
「そうだね、ソプラ。今日はもう家に帰ろう。」
そして、2人は家に戻った。
家の外を、
青い鳥を
幸せも知らないまま。